それなのに、あたしは永輝に会いたいと思ってる。

かんなさんを、羨ましいと思ってる。


ねぇ、永輝。

かんなさんを好きならそれでもいい。

一目でいいから、あなたに会いたい。

あたしには、それさえも許されないの?



「だけどね……」



目に溜まった涙をこぼさないように、あたしは一瞬の瞬きさえも我慢する。

かんなさんはあたしにかざした左手をスッと下げた。



「永ちゃんの気持ちは、あなたにある」

「……えっ?」



思いもしなかった言葉に、あたしは瞬きを我慢していたことを忘れ、一瞬、瞼を閉じてしまった。

涙が頬をすべり落ちる。