「でも、あたしは死んでるんだよ」



柚羽さんはちゃんと生きていて、あのアパートで生活しているということを伝えてもなお、柚羽さんはそう言い張った。



「なんで?オレは柚羽さんに触れたし、自転車で2人乗りも……」



そう言いかけて、僕の不安が増長した。


自転車で2人乗りした時のこと。

あまりにも柚羽さんが軽すぎて、後ろに乗っているのかいないのか分からないほどだった。

わずかな重みも感じなかった荷台に僕は驚いていた。



「……晶くん。あたしは永輝に会いたいあまり、自分のことを忘れてしまってたのかもしれない」



死を否定する僕に耳も貸さず、柚羽さんはただ話し続ける。



―――そして………。