ねぇ、柚羽さん―――。

遼太郎さんって、おかしい人なんだね。



『…柚羽さんが死んだこと知らなかったのか?オレはてっきり、死んでいることを前提に、おまえが会いに来たと思ってたんだけど』



知らないもなにも。

僕と君は普通に国道で会っていたよね。



『柚羽さん、死んだんだよ。永輝くんが事故に遭った日の朝に』



遼太郎さんは、何度も、君が死んだって、マジメな顔して言うんだぜ?

冗談にしてはタチが悪くて、正直僕は頭にきたんだ。

でもね。

最後まで付き合ってやろうと思って、僕はただ黙って聞いていたよ。



『アパートのベランダから転落して……』