夜を待って、僕はもう一度柚羽さんの部屋を訪ねたけれど、柚羽さんはいなかった。

もしかして国道に行っているのかと思った。

けれど、カギのかかったドアを前に、それはないだろうと思いなおす。


柚羽さんは女子大生だ。

きっと友達なんかと遊びに行っているんだろうな。


また、明日来よう。


柚羽さんに会えずじまいで僕は再びアパートを後にした。




「おいおい、またかよ」

「晶、おまえ、知り合いらしいじゃん」



学校と不釣合いな車は、昨日に続いて、今日の放課後も正門前に横付けされていた。


幸喜と健二が不安そうに僕を見る。



「大丈夫だよ、心配ないって」



靴箱に2人を残し、僕は「じゃあな」と言って、その車の元に走った。