だけど。



―――死にやがって……。



誰よりも永輝さんに一番近い存在だったこの人が、悔しそうにそう言うのを聞いて、永輝さんが死んだという現実をやっと受け入れられた。



「遼太郎さん。永輝さん、かんなさんと結婚するつもりだったって……」



もうひとつの事実を切り出す。

せめてこの事実だけは…という、僅かな願い。



「いずれは結婚も考えてるって話は聞いてたよ。けどさ、相手が誰とは言ってなかった」

「それじゃあ……」



希望の光が見える。

相手が柚羽さんだったのかもしれないという、希望。