「乗れよ」



そんな僕に逆切れするわけでもなく、遼太郎さんは冷静に言う。


これじゃあまるで、僕はただの拗ねている子供じゃないか。

まだ逆切れされて殴られる方がマシだよ。


冷静な遼太郎さんと、子供のような自分。

余計に腹が立って、僕は黙って車に乗った。



「こないだは悪かったな」

「なんでオレの学校知ってんですか」



車に乗り込んだと同時に、僕と遼太郎さんの言葉が重なる。



「制服見りゃ分かるだろうが」

「謝りに来ただけですか?」



どちらも譲らず、また同時に言いたいことを言う。