その声に驚き、俺は素早く振り返ると思わず身構えた。 切れ長の鋭い眼とがっちり目が合う。 更に全身に力が入る。 だが、すぐに逆毛立っていた心がしぼんだ。 もう、その目にはあの獣のような色はなかったのだ。 巨体はそんな俺を穏やかな目で見下ろし、小さく笑って言った。 「少し、話さないか」