【いつきの小説講座】巻ノ弐


その“陽射し”を1人称で書いてはいけないわけじゃない。

でもそれじゃぁ最後の“少し明るい色”を選んだという行為が“受動的”な行為になりかねないのね。

受動的っていうのは“他からの影響を受けたために起こす行動”のこと。

つまり受身な行動。

1人称の場合は出来るだけそういった“神様の采配”を描かない方が嘘っぽくならなくていいの。

あくまでも能動的に、自分の意思で行動をさせる。

自分の目でみて、肌で感じて、行動する。

だからさっきの部分は1人称では入れてないの。

“写実的な描写”を優先させるか。

それとも“感情のフィルター”を通した感覚を優先させるか。

はたまた場の雰囲気を利用してあえて省くのか。

そういったことを考えながら書くと、どう描写するのがその場面ではより効果的なのかが見えてくると思うわ。

そしてなにより1人称のときは主人公の“目線”、目に映る映像を考え、3人称のときは“俯瞰(ふかん)”した映像を考える。

俯瞰っていうのは見下ろすっていう意味ね。


ただまぁこれらを考え始めるとちょ~っと頭がぐるぐるしてきちゃうから、慣れない人はひとまず置いておくのも構わないとわたしは思ったりもする。

書き始めたばかりの人はまず、自分にとって気持ちのいい文章を探すのが先決だから。

その気持ちのいい文章が、それぞれの作家の個性につながるんだと思う。

それがみつかって、さらに描写にこだわりたいと思ったとき、改めてこれらを意識してみるという順序でも十分なんじゃないかな。

うん。

さて、本日はここまで。

次はどんな話になるかなぁ。

楽しみに待っててね?

じゃ、また。