「夜は眠れてますか?」と。


 あたしはカウンセリングルーム内で少し緊張しながらも、自分の近況に関して話す。


 ドクターはそれを手元にあるノートパソコンに打ち込みながら、問診し続けた。


 どうやらドクターは昔の人間だが、カルテを作るのにパソコンを使うらしい。


 カツカツカツ……。


 キータッチ音が絶えず鳴り響く。


 そして電子カルテが完成し、あたしはドクターに一応説明を受けた。


 気分が落ち着かないときに飲む軽めの安定剤と、眠れないときに服用する眠剤を処方されたらしい。


 あたしはドクターに自分の持っている心配事などを話した後、すっきりした気分になり、薬までもらって安心して家に帰り着くのだ。


 自分自身、ドクターとお会いすると気分が晴れる。


 それはいい感じでの晴れ方で、疲れていた心に栄養をもらうような感じなのだ。


 確かに相当なストレス社会で、日本も欧米並みに精神科や心療内科が増えているらしい。