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 あたしと喬を乗せた車が目的地である滝に着くと、あたしは持ってきていたカメラ付きケータイを取り出し、美しい光景を次々にカメラに収めた。


 あたしはしばらくの間、夢中で写真を撮り続ける。


 喬は脇で持ってきていた、さっきのビーチで熱を受け温くなっているだろうと思われるアイソトニックウオーターのボトルを取り出し、キャップを捻ってゆっくり呷った。


 あたしも小一時間写真を撮り続けていると、急に喉の渇きを覚え、


「あたしも飲んじゃおう」


 と言って、持ってきていたカバンを覗き込み、中からペットボトルを一本取り出す。


 やはり温くなっていて、喉越しが悪い。


 だが、あたしはこの際、冷たいか温いかなど言っていられなかった。


 それだけ、体が水分を欲しているのだ。


 あたしはボトルの栓を捻り開け、口を付けた。


“温い”