すぐにウエイトレスがやってきて、日本語で喋り始める。


 こっちを日本人観光客と知って、だろう。


 あたしが写真を指差しながら、注文した。


 喬はずっと黙り込んでいる。


 あたしたちはピザが届くのをじっと待ち続けた。


 実はこの店のすぐ裏手は海で、色鮮やかなビーチが展開している。


 彼方に広がる空の青と棚引く雲の白、そして木々の緑が照り映えて、あたしたちを釘付けにしていた。


 あたしたちは食事し終わったら、すぐに海岸線に行くことにして、料理を待ち続ける。


 やがて二十分ほどしてだろうか、大きなピザが焼き上がり、コーヒーも付いていた。


 あたしと喬が綺麗にカットされたピザを手に取り、食べ始める。


 すでに辺りが暑くなり出していた。


 南の島は常夏とあってか、朝から蒸し暑い。