二十年ほど前の上京した手の頃とは大違いだ。
 

 ずっと長い間、まるで振り返るようにして頭の中で考え事をしていたあたしはふっと我に返り、島のホテルの一室から夜景を見つめる。


 湾内には多数のクルーザーがあり、客船からは絶えず光が解き放たれていた。


 喬はずっと眠っていて、あたしは彼の脇でタバコの火を消してしまい、ゆっくりと息をつく。


 そして考えていた。


“この島には一体何があるのかしら……?”


 あたしはせっかく南国のシーリゾートに遊びに来たのだから、ゆっくりしようと思っていた。
 

 目の前のビーチは鮮やかで、水が澄み、多数の客が泳ぎに来ると持ってきていたパンフレットに書いてあり、もう一つ島には名所があるようだった。


 それはホテルからやや山間に入った場所にあるウラベールの滝だ。


 ここも観光名所の一つのようで、多数の人間が訪れるらしい。


 街に出れば、島の人間たちが運営するショッピングモールがあって、どうやら退屈しな