「ええ」


 と返し、


「お酒もらえるかしら?」
 

 と訊いてみる。


「ビールかチューハイ、カクテルに水割りとございますが」


「じゃあカクテル」


「かしこまりました」


 喬が近くにいたヘルプらしいホストにカクテルを持ってくるよう言った。


 どうやらこの店で作られるオリジナルカクテルがあるらしく、バーテンダーが酒と甘味料のエキスなどを混ぜ合わせて、シェイカーを振り始める。


 カツカツカツ……。


 音が店内に木霊(こだま)し、やがて出来上がったオリジナルカクテルが運ばれてきた。


 いろんな種類の原酒を混ぜて仕上げた、究極のものらしい。