「……銀座にもいいホテルがあるんだ」


 あたしと種村が銀座の一角にあるホテルでその夜を共にしたのは言うまでもない。


 あたしたちはホテルにチェックインしてから部屋へと行き、そこでシャワーを浴びて互いの体を綺麗にしてしまってから、ベッド上で行為に励んだ。


 ちょうど七月で、お互い薄着でいたので、シャワーだけでも十分気持ちがよかった。


 種村の優しい愛撫にあたしが応えて喘ぎ続ける。


 彼も若いのにいろんな女性を相手にしているからか、その手の行為に関しては相当手馴れていた。


 あたしたちは濃密な一夜を送り、やがて付き合い始める。


 パソコンのメールアドレスやケータイのそれ、おまけに番号まで教え合って、暇があれば電話で連絡し合っていた。


 あたしが昼間、たまたま彼のケータイに掛けてみたとき、仕事の都合からだろうか、すぐに留守電に切り替わると、あたしは伝言メッセージを残さずに切り、その代わりにメールを打った。


 そして種村は週に二、三回の割合であたしの店に来て、ほんのわずかな量だけ飲み、その後、決まってあたしを抱くのだ。


 その関係がしばらく続いた。