まあ、仕方ないわねとあたしは思っていた。
 

 半分諦めた感じで、である。


 いくら二十七歳で女性としては花盛りであっても、あたしは結構サバサバしているのだ。


 それに都会で接客業をやっていれば、自然と出会いが増える。


 銀座はそれだけ人の出入りが激しく、恋人たちも出会っては別れ、出会っては別れの繰り返しのようだった。


 あたしの元で働いているホステスたちも、新しい恋人が出来ればセックスだって平気でしているし、実際でき婚で辞めていく子もいるにはいた。


 新陳代謝が激しいのが銀座のクラブの実体なのである。


 いつしか時が流れ、あたしも三十の大台に乗り掛かっていた。


 店に来てくれるお客さんは以前よりも増えていたし、あたし自身仕事が相当忙しくなり始めていて、尚更恋愛とは遠のく。


 だが、あたしは恋愛や結婚に関しては無頓着で、時間が流れれば流れるだけ不利になっていくとは分かっていながらも、どんどん後回しになっていた。


 あたしはその矢先、ある男性と知り合いになる。