やはりこの尋常じゃない暑さは体に堪(こた)える。
 

 相当疲れているからか、あたしも喬も届けられたサンドイッチを食べながら、カフェインが若干多い濃い目のアイスコーヒーを啜った。


 あたしたち二人は飛行機の搭乗時刻を待ちながら、二様に今の日本のことを思う。


 二月の日本はまだ寒い。


 だが、もうじき暖かな春が訪れる。


 あたしも喬も気楽に構えていた。


 時が洗い流してくれることもあると思いつつ、あたしたちは島を出発する。


 成田までの五時間のフライトはあたしにとっても全く苦痛にならなかったし、喬もそう思っているようで、表立って疲労感を見せない。


 あたしたちは帰りの飛行機の中でも手を握り合っていた。


 互いに愛情を感じ取れているのがちゃんと分かる。


 目には見えない不思議な何かがあたしたちを結び付けていたのだった。


 それは言葉ではおよそ言い表せない愛情というものだ。