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 あたしと喬は島での最後の夜に、宿泊先のホテルの一室でゆっくりしていた。


 この島でやり残したことはもうない――、互いにそう思いながら。


 そして彼はあたしを優しく抱いてくれたのだった。


 濃密な夜がゆっくりと更けていき、やがて朝になる。


 あたしが先に目を覚まし、シャツ一枚で隣に眠っていた喬を起こさないようにして、キッチンへと向かう。

 
 冷たいモーニングコーヒーを二人分淹れ、あたしは先に自分の分を啜った。


 気温が上がり始めていて、今日もこの島は蒸し暑くなる。


 飛行機の搭乗時刻は午後一時四十二分だった。


 それまでゆっくりできる。


 何せ、空港までタクシーを飛ばしてものの十五分ぐらいだからである。


 時間はいくらでもあった。


 後から喬が起きてきて、あたしたちはキッチンで合流し、互いに朝のコーヒータイムを