「お初にお目にかかります。マチホ国第一王女、グラディスと申します」


淡いピンク色のドレスを身につけた美しい王女が、優雅に腰を折り、鈴を鳴らすような声で挨拶をしました。

出迎えた国王夫妻や大臣たちは、ほう、と驚嘆の声をあげました。


「お噂は聞いておったが、まことに美しいな。私がビーワ国国王、キシルだ。こちらが王妃である妻のスプーン」


スプーン王妃がにこやかに笑い、ようこそ、と言いました。


「そして、これが我が息子のナマタよ」


国王の横に控えていたナマタ王子が、一歩前に出て言いました。


「初めまして。これから仲良く致しましょう。長旅でお疲れでしょう?
まずは一休みされて下さい。落ち着いた頃に、ボクが城の中を案内致しますよ」


緊張のせいか、血の気が失せて真っ白な顔をしたグラディス王女は、ぎこちなく笑って言いました。


「ありがとうございます。よろしくお願い致します」