「あっ! ゆうちゃんやー!! ねっ!ママみて! ゆうちゃんがおる!」 キャッキャッと嬉しそうに跳ねる宇美。 そんなにはしゃいだらまた転けるで? って言わなあかんとこやけど、そんなことに頭は回らん。 かろうじて出てきた言葉は 「――そう…やな…。 …優太、とりあえず中入ろうや?」 「おう。」 優太はニットカーディガンのポケットに手を突っ込んで、ニコッと微笑んだ。 ――何でここって分かったんやろか…?