次の日の朝。 私は気分上々で制服に袖を通す。 そして端(ハタ)に置いてある携帯に目をやる。 携帯には一匹のクマがちょこんと寝転んでいる。 私は嬉しさのあまり頬が弛む。 「澪ー!翔太君来てるでー?はよ支度しなさい!」 「は、はーい!」 お母さんの大きな声で、私は一気に現実に戻された。 「いってきます!」 急いで家を出るとやっぱり翔太は来ていて、塀に背中を預けていた。