Monochro world


痛みに顔を歪めるも、翔太は気付いてるのかどうか、かまわずギリギリと私の手首を捕らえたまま離さなかった。



「おい!ええ加減にせぇよ!?お前はもう、澪の彼氏とちゃうやろ!!」



優太は眉間にしわを寄せ、翔太の手を、私から解放した。



私は赤くなった手首をさすりながら優太の背中を見た。



「なんや…。えらい身分になったもんやな?皆実君?
澪…。お前は俺やなくて、優太を選ぶんか?」



チラリと翔太を見ると悲しげな瞳がこちらを見ていた。



その瞳に私は胸が苦しいほどに締め付けられた。




「わ…たしは……」



選ぶなんて……



できるわけない