「お父さん、お母さん。」 リビングに入ると頭を抱えている2人がいた。 「澪!お前な――!」 「待って!」 今にも噛みつきそうな2人を制した。 「私の話を聞いて。」 私の強い視線に応えるように、2人はソファーに腰をかけた。 それを確かめて私は、2人の前で膝をつき、頭を下げた。 「私に……私に、この子を産ませて下さい!」 喉の奥が痛くなり、涙が出るのを必死に堪え、震える手を前に出した。 私の気持ちが2人に伝わるように。