「分かるわけないやろが。」 低い声に私の肩が跳ねた。 「私、妊娠したことないし。 でもな?母さんと父さんの気持ちも考えてみぃや。」 「…。」 その言葉にふと冷静になった。 ――私、自分本位で考えてたかも…。 お父さん… お母さん… 「まぁ、2人が反対しても姉ちゃんは味方でおるから、そんなにふさぎ込むなや?」 パッと顔を上げると姉ちゃんのいつもの笑顔があった。