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「―――っお!……ぃお!……澪!!」



「え…?ん…。ごめん。寝てた。」



先に上がっていた私は優太と一緒に賄いを食べるために事務所で待っていた。



どーも私はうたた寝をしとったみたいや…。



あまり覚えてへんけど、



その夢がとても懐かしく、ずっと夢の中にいたいくらい心地が良かった。



「ほら、賄いできた。…てか、お前どんな夢見てたん?…涙、出てるで?」


「え?」


優太は、テーブルに料理を置き、私の向かい側に座りながら私の目を指差した。


目元を触ると濡れていて、明らかに泣いたことを、私に知らしめていた。



だけど――



「どんな夢やったか、詳しくは覚えてないねん。…ただ、懐かしいやつが……懐かしい笑顔を…私に向けてた…それしか覚えてへん…。」



そう告げると優太は、
「ふ~ん。」
としか言わず、賄いを食べだした。