――カラン…



「いらっしゃいませ。」



私は入ってきたお客をいつものように席に案内して、いつものようにオーダーを取る。


私は高校卒業する前からこのカフェで働いてるから、今4年間ここで働いていることになる。



「澪(ミオ)さーん!これ、ココアパウダーかけるんでしたっけ?」


「うん。綺麗に盛り付けてや。」


私はキッチンもやっていたため、新人の世話など全般的に任される。


でもこの店は小さいから新人なんて滅多に取らんし、大変ってことはないんやけどね。


しかもこのカフェ、路地裏で分かりにくいところあるため、食事時を過ぎればビックリするくらい暇だ。


先ほどのお客もケーキとコーヒーを飲んだらそそくさと帰ってしまい、今はノーゲス(お客がいない)状態になった。



「澪さん…。何か料理教えてくださいよ。」


「アホか!そんなんそこにおる優太に教えてもらいいな!」


私は厨房奥で寛(クツロ)いでる少年を指差した。