「あたしは、好きだな。皮は…」



「皮ですって!?」



旭さんが急に割り込んで目を丸くする。


「うん」



「皮は良いわよね!?見ると食べたくなるわ!!」



そうなんですか…



「はがすのがたまらないわ!まるで、男の子を誘惑しているみたいじゃない?」



「え?…」



「良いわよね!?う~んたまらないわ!!興奮したら、たって来ちゃったわ!」



慎之介くんは、黙々と頬張っている。まるで旭さんを空気のようにムシしている。



「そうだ!慎之介くん…私の舐めてみる?美味しいわよ?」



え?



慎之介くんは、ぽとっと栗饅頭を落とした。表情は、完璧に固まっている。
少しイヤな表情を浮かべているように見えあたしは、視線を逸らした。



さてと、栗饅頭の事聞けなかったしあたしは、退散しようかな。ちょっと旭さんが怖いから…



そう思いあたしは、立ち上がった。すると、慎之介くんがあたしの腕を掴んだ。


「用事でもあるんですかィ?」



「え?ない…けど…」


掴まれた腕に慎之介くんは力を入れる。少しだけ痛い。