あたしは、篠原さんの後を追って一条組までやって来た。そこで見たのは、恭平が拳銃で撃たれ倒れている場面だった。


「きょう…へい?」



あたしは近寄り恭平を見つめた。
返事もしない。何も言わない。ただ、目を閉じて居るだけだとあたしは、思いたかった。



「アンタのせいよ」



ぼそりと呟いた声がする。ふと側には、誰かが居た。恭平の妹だ。
涙の跡が頬に残っている。



「っ…恭ちゃん…なんで死なないとダメなの?あんなの嘘…嘘だよ。私、大好きだから…」



恭平に向かってそう言う彼女は、本当に大好きなんだなって思った。



「…っ…恭ちゃ…ん恭…ちゃん…ヒック…しナナイデ」



彼女はそう言って泣きながらあたしを睨みつけた。



「アンタが居た…から…っ…恭ちゃんおかしくなっ…ちゃった…」



え?あたしのせい?恭平が死ぬのって…元はと言えば、恭平の妹のせいで、一条組に入ったんだよね?



ならなんであたしのせい?意味わかんないよ!



「あたし…あたしのせいじゃない!」



でも今は、そんな事より救急車が先だよ!篠原さんも倒れてるし…