「満咲、なにやってんだ?遅刻するぞ」


後ろから怜斗が歩いてきた


「桜のね、蕾があるの」


「そうか…」


満咲が嬉しそうに言うと、怜斗は悲しそうに微笑んだ


「ねえ怜」


「何だ?」


「ううん、やっぱりいい」


今はまだ……と心の中で付け足した


「そうか?じゃぁ急ぐぞ」