「めっっちゃ好きや!!」
「「「えぇえええ!?」」」
「告白!?」と観客がどよめく中で、俺は奈々だけを見つめた。
「夏からちゃうねん! 春からずっと好きやってん!」
初めて見た時から、ずっと目で追っとった。
「もう見とるだけなんはやめる!」
俺だけの。俺だけの、奈々が見たくてしゃあないねん。
「ずっと隣におってほしいねん」
奈々が隣におってくれたら、俺は無敵や。
「俺がお前を守ったる。笑かせたる。寂しかったら一緒にいたる!」
お前が俺を必要としてくれんなら。
「付き合って下さい!」
「「いいぞ翔太ぁーっ!」」
「「嘘でしょー!? 翔太ー!」」
いっ……言った!
ボッ!と透なみに赤くなる顔に、思わず顔を覆った。
あかん……奈々の顔が見られへん。
「え~奈々ちゃんっ! 良かったらステージに上がってくださーい!」
「はあ!?」
俺からマイクを奪った玄がとんでもないことを言い出す。
「何言っとんねんお前!」
「まぁまぁいいじゃん。観客巻き込んどいて告白の相手を見せないなんて、失礼じゃねぇか」
ニヤニヤ笑う玄にダラダラと冷や汗が出る。
待ちぃや……こないな大勢の前でフラれたらどないすんねん!



