「「きゃあぁぁぁぁあ!」」」
「「daring~~!」」
豪快な爆音と共に、daringのステージが幕を開けた。
まずはチーム全体で簡単なステップから始まる。
「daringーーっ!」」
ズレのない完璧に揃ってるダンスに、観客のボルテージが一気に上がっていった。
続いて玄のソロ。俺らは後ろに引いて玄を煽り、玄は観客を煽る。
「「玄かっこいいー!」」
堪らないこの一体感。鼓膜を痛いほど揺らす音楽も、ダンスも、観客の歓声も、全てが激しく荒々しい。
体は重いし、息は苦しいし、視界は動き回る体のせいで定まらへん。
ずっとずっと前から何度も何度も練習して完成したダンスは、たったの15分で終わる。
せやけどこの15分の為に、今まで必死こいて練習してきた。
「「翔太ぁああ!!」」」
今が全てや。
出し切って出し切って、最高のステージにしたんねん。
俺のソロダンスが始まる。背後で煽ってくる玄たちに口の端が上がった。
まずはトーマス。片手を地面に付け腰を浮かせ、両足を出来るだけ高く360度回転させながら、手の軸も変えて回る。
その後はウィンドミール。両手を胸に収め、肩と背中を軸に床に付け、腰を浮かせて脚を回す。
「「20回転もしたぜ!?」」
そんな声が聞こえた
当たり前や。散々練習したんやからな。
立ち上がり、颯たちとのステップに戻る。
――奈々は? まだ来てへんのか?



