「やっべ。奈々ちゃん超美人……」
「清楚なお嬢様だよなー!」
「透ちゃんも可愛いだろっ」
「透ちゃんも可愛いけどやっぱ奈々ちゃんじゃねぇ?」
ふーん……。奈々って奴がダントツ人気っぽいねんな。
まあ騒がれるほどには、とんでもなく美人だとは思う。
「――げっ! 誰だよあいつ!」
透と奈々に話し掛けた男子が1人現れると、口々に騒ぐハイエナ共。
「あれ女子が騒いでた奴じゃん? バスケ部期待の未来のエースとかって」
「あ~! たいせー?だっけ?」
「そうそう、大聖」
透と大聖って奴は、仲良さげに笑い合っている。
「同じクラスらしーぜ?」
「ずりー! 俺らもお近づきになりてーっ!」
「……俺は透派やな~」
ぽつりと言うと「マジで!?」と即行食いついてくる奴らに若干身を引いた。
「何で!?」
「んぁー……奈々ちゃん? 何か固そうやん。お高くとまってるっちゅーか。俺お嬢様っぽい奴苦手やもん」
透と大聖は爆笑し合ってるんに、奈々は混ざろうともせずただそこにおるだけや。
「元気で明るい方がえぇやん。奈々ちゃんは喋るん気ぃ使いそ~……」
確かに奈々は美人やし、彼女にでもなろうもんなら男が羨ましがるほどの美貌やけど……。
一緒にいて楽しいんは、どう見たって透やろ。
「翔太分かってねぇなー」
「何がやねん」
ニヤニヤしよって。変態ちゃうんか。



