「それより先に言っておきたいんだけど、驚かないでちょうだいね?」
「何なに!?」
まさか翔太のことが気になるとか!?
ワクワクしていると、奈々は真顔で言い放った。
「お見合いするの、私」
「――……はひ?」
「だから、お見合い」
「……?」
おみっ……お見合いって、アレ? 結婚を前提にしたやつ?
え? 結婚することが決まってるんだっけ? お見合いって何の為にあるんだっけ?
結婚相手を求めるため? いやいや……え?
「はあぁぁああああ!?」
「うるさいわね。誰にも言わないでよ」
昴たちが何事かとまた振り向いたけれど、あたしは呆然とすまし顔の奈々を見つめることしか出来ない。
「あの……奈々。落ち着いて? 確かに奈々はもう16歳だけど、待って? 冷静に話し合おう……!」
「落ち着いてるし、待てないわ。もう決まったことなんだから」
結婚が!?
ちょっと待ってよ! 奈々がお見合いって……。
どうなってんのーっ!?
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