……クラクラする。
何度も向きを変える深いキスに、翻弄されていく。
死んじゃう……。
「……、……はぁ……っ」
お互いの唇が離れた途端、息が苦しかったけど昴の肩に顔をうずめた。
――あたし……。
どうしようもないくらい、昴が好きだ……。
「「ひゅーっ! ラブラブーッ!」」
「「見せつけんてんなよーっ!」」
周りの歓声が凄い。
確かに恥ずかしいと思う気持ちはあるのに、それどころじゃなかった。
全身が、昴を求めてる。好きだって、体が言ってる。
「トール」
ゆっくりあたしを降ろした昴の声は、どことなく弾んでいた。
「ダイジョ、ブッ!?」
顔をのぞき込まれる前に、昴に勢い良く抱きつく。
「……トール?」
「……待って。まだ、ヤダ……」
泣いてる顔、見られたくない。
それよりももっと、まだ離れたくない。
昴は何も言わず抱き締め返してくれた。
翔太たちと何か話してたみたいだけど、頭には入らなかった。
……あのね、昴。
好き過ぎて、涙が出る。
溢れる想いが、涙になって零れてく。



