「目、瞑って…っ!」
「ヤダ」
「ヤダ!? 何で!?」
「みたい。トールが俺に、kissするトコ」
「んなっ……!」
顔が赤くなる。
周りのギャラリーが何か騒いでたけど、あたしの耳には届かない。
「~~っ」
意を決して、昴の肩に右手を置く。
ドキドキするなんてもんじゃない。本当に、本当に、心臓が破裂しそう。
昴はやっぱり隠れSだ。可愛い顔して、とんでもないことを要求してくる。
好きだから、するんだからね。
……バカ王子。
真っ直ぐあたしを見つめていた昴を視界からログアウトさせて、唇を重ね合わせる。
前した時は、物足りないって言われたから……。
頭の中で3秒数えて離そうとした時、昴の右手が腰から離れ頭を引き寄せられた。
「っ!? ん~っ!」
囁かな抵抗も束の間、昴の右手がスルリと頬と耳に触れ、あたしの髪を掻き上げた。
ビクッと体が跳ねたのは、感じたことのない感触が口に中に侵入してきたから。



