「っか~! 見せつけんなやっ! うっとうしいねん!」
「ラブラブだねぇ」
「透、あなた真っ赤になりすぎよ」
見つめ合ってたあたしと昴に、翔太たちが茶々をいれる。
「なっ…だっ……はひ…」
熱すぎる顔を両手で包んで、しどろもどろになるあたし。
「俺なんてなぁ、相手がアタックした途端昴がいきなり走り出すから、何事かと思えば……透かい!って思わずコートで突っ込んでもうたわ。ラブラブすぎてほんま憎たらしい奴らやな!」
そっ…そうだったんだ……。
翔太の言葉によけい全身が熱くなったけど、守ってくれたことは本当に嬉しい。
「昴……」
「んー?」
隣で片足を曲げて、座っていた昴を見上げる。
「あの……ありがとう……」
言った途端ボッ!と赤くなるあたしに、キョウが盛大に吹き出した。
昴は一瞬目を丸くしてすぐにふにゃっと、とろけるような笑顔を見せる。
「ドーイタマシテ」
「……どういたしましてだよ……もぅっ!」
あまりにも恥ずかしくてぽかっと昴の胸を叩くと、極上の笑顔が降り注いだ。
「――えっ」
ちょっと待……っ!
そう思った瞬間―─ちゅっと、頬に昴がキスをした。
「んなぁっ!」
俊敏な動きで後ろに仰け反りキスされた頬を手で覆うと、昴が首を横に傾けて笑った。
「ごほーび?」
「~~っ!」
わなわなと体を震わせると、周りにいたギャラリーが「ひゅー!」なんて言い出すから、言葉なんて出なかった。
あたし以外みんなニヤニヤしてる……。
昴の悪戯王子ぃぃいいい!!



