サーブは見事インラインギリギリに落ちて、相手チームに拾わせることくそのまま点数になる。
ぐはーーっ!! かっこよすぎて吐血しそう!
昴ってば全日本男子バレーの超期待の新星になれる!
あだ名はもちろんプラチナ王子ねっ!
興奮してる間にも昴はサーブで点数を取り、あと1点で昴のクラスが決勝戦に勝ち進むことになる。
「「「あっと1点! あっと1点!」」」
体育館は盛り上がりのピーク。
反対側のコートでは男子のバスケの試合をしてるというのに、応援が試合してるクラスの人しかいなくてガランとしていた。
バレーと違って寂しすぎる……。
バスケの試合も気になるけど、やっぱ昴の試合を見過ごすわけにはいきません!
昴はボールをリバウンドさせ、高く上に投げた。
入れっ!
ぎゅっと顔の前で祈るように拳を握る。
──ドッ!と空気を振動させるような音。
猛スピードで相手コートに向かったボールは、回転しながら急下降していく。
「「「拾ったーー!!」」」
ワッ!と会場が湧いた通り、相手はスライディングして何とかボールをレシーブした。
だけどボールは勢い良く上に向かい、セッターのトスも乱れてる。焦ってることが分かるアタッカーが助走し、ボールを力強く打った。
乱れたトスをアタックした為、ボールは昴たちの方向には行かず、信じられないことにボールはあたしと奈々がいる方向に一直線。
いやーーバカーーッ!
咄嗟に両腕で顔を隠して、出来るだけ痛くないように身を縮めた。
──ドカッ!という音と共に、背中に衝撃が走る。
いっ……!



