「……何か今日の透、奈々にべったりじゃない?」
「大聖~! どうどう!? 見てた!? あたしのファインプレーの数々!」
「まあそこそこ凄かったんじゃね?」
「えー……忍より現エースの大聖に褒められたい」
「調子のってね? これ引きちぎるか」
「ぎゃーっ! 嘘ですごめんなさいありがとう!」
忍に前髪のちょんまげを引っ張られて早口で言うと、大聖が笑った。
「いや凄かったよ、ほんとに」
「バスケ部入ればいんじゃね?」
「スリーポイント得意なのね」
同じクラスでバスケ部の大聖と忍に褒められて、尚且つ奈々が極上の笑みで言ってくれるとなれば、天狗になってしまう。
「げへへ~まぁね~」
「「「…………」」」
ニヤニヤしまくりのあたしを、手の平を返したように冷たい目で見る3人のひどさ。言葉じゃ言い表わせないね!
ムスッとしてると、地鳴りのようなものすごい悲鳴が聞こえた。
その悲鳴の正体は、ステージ側にあるバレーコートの周りに集まった大勢の女子たちの声だったらしい。
「もっと声抑えるべきじゃね? バレーそんな盛り上がってんの?」
「2年と2年の対決らしいよ」
ふーん。2年と2年か~。でもギャラリーの女子のジャージが色とりどりだけど……。
下のジャージには横に縦ラインが入っていて、その色で学年が分かる。
「「きゃぁああああ!!」」
「「頑張ってーーっ!!」」
すげー……。心なしか女子の目がハートに見えます。



