「つうか奈々、それって」
……まだ話続いてたの?
「早く終わったら来れるってことやんな!?」
「……」
目をキラキラと輝かせて期待いっぱいに私を見る翔太に、透的に言えばドン引き。
どれだけ前向きなの、この生き物。同じ人間だと思いたくないわ。
「……そういうことになるわね」
「よっしゃぁああ!」
「うるさいわね」
「うるさくもなるやろ! めっちゃ嬉しいんやからっ」
目を細くして満面の笑みを浮かべる翔太が理解出来ない。
「言っておくけど、行けない可能性の方が大きいから」
「来れる可能性もあるんやろ!? やる気出てきたわーっ」
万に一つの可能性でも信じるっていうのかしら。
「良かったね翔太~!」
「ガンバって、ショータ」
「新技完成させるわっ!」
「イエーイ!」とハイタッチをする翔太と透を、私は冷めた目で見ていた。
行けるわけないじゃない。
興味もないし、行きたくもないわ。
だってきっとイベントに行ったら……。
私は間違いなく、翔太に告白されてしまうもの。



