「お~。おふたりさん、今更登校ですかぁ~?」
昴のペースに惑わされながら何とか準備して学校に向かうと、学食に着く前に隼人に会ってしまった。
「オハヨーゴザイマス」
「おはよー……」
ニヤニヤするオヤジみたいな隼人に、嫌な予感しかしない。
「早速仲直りの熱帯夜だったわけだ~? やるなぁ昴、男だな~」
「ネッタイヤ?」
「昴に変なこと吹き込まないでよ! バカ隼人っ」
「あぁん!? ベソベソ泣いてたお前を慰めたのは誰だ!? 俺だ!」
「その節は大変ご迷惑おかけしましたありがとう御座いました」
「気持ち込めて言えっつーの!!」
「やだよーっだ。行こう昴!」
「テメー! 次覚えてろよ!?」
ケラケラ笑うあたしに、怒ったように振る舞う隼人。
あたし知ってるんだよ。隼人はお礼を言われるより、笑顔を見せてほしいんだってこと。
だからお礼の変わりに、満面の笑顔を。
「やぁっと来たんかい!」
学食に入ると、1番に声を掛けてくるのはやっぱりお調子者の翔太。
「ふたりで遅刻なんて珍しいね」
分かってるくせに白々しく知らないフリするキョウ。
「……あれ? 奈々は?」
「ここよ、透」
振り向くと奈々が腕を組んで立っていた。
……何でか、黒いオーラを纏って。



