「あなた男でしょう」
……え?
「調べたから確かね。レライエ・エルリック、性別は、男」
お……とこ………?
「クッソ! お前何者だよ!!!」
「三神家の長女。……ああ、貴方に日本の令嬢が誰だかなんて分からないわよね? ふふっ、失礼。この世であたしに分からないことはなくてよ? レイ君」
勝った。そんな感じの奈々に脱帽。すごいね奈々。さすが大魔王……。
いやいやそうじゃなくて……。
「男って何ーーーー!?」
「うるせぇ! 黙れブス!!!」
「ブスッて言うな!」
ムスッとするレイ。その外見からは、男だなんて想像もつかない。
めちゃくちゃ美人で色白だし……髪長いし、細いし……あ、でも胸はない……。
「ちょ……ちょお待ちぃや。どこが男やねん……どっからどう見ても女やないかい! ゲイ!?」
「ウチはバイだっつうの!」
「ホ……ホンマかいな……」
「男が男を好きで何がどう悪いんだよ! 好きになったのが昴だったってだけの話だろ!」
バイって何………?
「バイセクシュアル。女も男も好きになる人のことよ」
奈々が疑問を解決してくれて、あたしは強烈に美人のレイを見つめた。
「……なんだよ。可笑しいわけ? そう言うのを偏見って言うんだよ!」
男も女も好きになる……?
「人類に優しい人なんだね……」
「はぁ!?」
「ぷーーっ! くくっ……透……っ」
「着目点そこかい……」
「え!? なんで!? だってそういうことでしょ!? 男も女も好きになれるなんて凄いじゃん!」
視野が広いって言うか、隼人のバイト先の店長といいレイといい、世の中には色んな人がいるんだなぁ……。



