「Pleia! Are you going to break a promise!?」
レイの怒声に、昴が悲しそうに眉を寄せる。
壊す……違う、破るだ……。約束を破る気なの?ってレイが叫んだ。
約束って、何?
色んな考えが頭を駆けめぐったけど、今のあたしにはどれも関係ないことだった。
「……昴。あのね。あたし、昴を信じてるから」
「……」
「文化祭の告白を信じてる。あたしも、昴の全てになりたいって思ってたから」
昴が目を見開いたけど、微笑み返した。
文化祭の後夜祭イベントで、あたしに告白してくれたよね。
『俺はあなたに出逢うことができて、幸せです。
トールに逢ってから、毎日本当に楽しかった。朝起きると、トールに逢いたいっていつも思ってた。
優しくて、無邪気で……笑顔が可愛いトールが好きだよ。
ずっと一緒にいたい。
俺は、君の全てになりたい。
大好きだよ。
俺の彼女になってください。』
「……屋上で言ってくれたことも、あたし凄く嬉しかったよ」
今でも思う。
『将来、結婚しようか』
もちろんです、って。
昴と一緒なら、どこへでも行ける。
「……昴。今までの言葉や行動が全部嘘なら、今そう言って。あたしのこと好きじゃないなら、今ここで別れて」
「…………」
迷ったりしない。
あたしには昴しかいないの。
あたしの王子は昴、あなた1人なの。
「最後にひとつだけ」
俯いていた昴は、不安げにあたしを見つめた。



