「お腹いっぱい!」
アイスマンを取り満足げに笑うと、隼人が頭をグシャグシャと撫でた。
「透ちゃ~ん。これサービスッ!」
カッコイイのに笑顔は可愛いちぃ君が、食後のデザートと言って苺パフェを持ってきてくれる。
「わあああっ! ありがとう!」
大好きな苺を目の前にして喜ぶと、隼人が呆れたように首の後ろを掻いた。
「腹いっぱいじゃねぇのかよ」
「デザートは別腹なんですー」
「ね~。そうだよね~? 隼人ってほんと常識通じないダメ男だよね~」
「お前にだけは言われたくねぇよ!!」
「え~? 何言ってるか分かんないなぁ。ほらほら、早く戻らないと店長に怒られちゃう~っ」
「じゃあな透。ゆっくりしてけよー」
接客に戻っていく隼人のちぃ君に手を振って、早速苺パフェを食べる。
わ。美味しい! こんなデザートをサービスしてくれるなんて、ちぃ君いい人だなぁ……。
黙々とパフェを食べ進めながら、混んでいるのにバタバタしていない店内を見渡す。店員はみんな落ち着いていて、業務を丁寧にこなしていた。
隼人が爽やかに見える謎……。
「いらっしゃいませ~!」
お客さんが来ると、店員みんなが声を揃える。
……穴場ってか、常連さんばっかり? こないだも来てた人たちが、チラホラいる。
駅裏だからかな。あんまり広まってないみたい。でもそのうち人気店になりそう……。
そんなことを考えながら大きな苺を食べようとした時。
──バンッ!と大きな音に体を揺らしてしまって、小さなスプーンから苺が床に落ちてしまった。
あぁぁああああ~! 苺がぁぁああ!!!!



