「公衆の面前でよくやるよ」
何だか、いつもと雰囲気が違う。
明るくて、よく笑うはずのレイの姿はそこにはなくて、笑顔を見せずに低い声を出していた。
「You are really eyesore」
――え?
え? 今、何て言った!?
「目障りって……何?」
聞き返すとレイは一瞬目を見開いたけど、すぐバカにしたように笑った。
「へぇ。アンタ、英語得意って本当なんだ? そう、目障り。早く消えてくんない?」
ななな何を言ってらっしゃるんですか!? ていうかもしかしなくても本性こっち!?
「Pleia、日本に来て頭おかしくなったんだよ。でなきゃあんたみたいなガキ、彼女にするわけないじゃん」
ガキって! 子供っぽいって言いたいわけ!? ごめん否定出来ない!
「昴はアメリカに連れて帰るから」
「…………は?」
「そのために日本に来たんだから。アンタなんかに邪魔されてたまるかっつーの」
「ちょ……っ何言ってんの!? 昴がアメリカ帰るわけないじゃん!」
「はっ! バカじゃん? 昴が本気でアンタなんか好きだと思う? 有り得ないから」
「はい!? 何を根拠に!」
軽く傷つきながらも反抗すると、ギロッと睨まれた。
「昴は本気で好きなやつには、あんな軽々しくキスしないんだよ!」
「……」
「女遊びなんかするようなやつじゃなかったのに……」
まるでアメリカに住んでいた頃の昴を思い出すように言うレイはどこか、幻滅したように眉を寄せる。
「とにかく。アンタ遊ばれてるだけだから。勘違いだけはすんなよ」
言うだけ言ってあたしの横を通り過ぎたレイ。
遊びなんて……そんなわけ、ない。
でも、幼なじみのレイの言葉は自分でも驚くほど説得力があった。
……嘘だよ。そんなわけない。
昴の、あの優しいキスが本気じゃないなんて……嘘に決まってるよね?



