「いわゆる遠距離恋愛になってしまって、毎日休む暇もなく撮影があったからね。連絡を取れる回数が少なくて……。日本に行きたい。そう思ってた頃に、彼女が身ごもっていたことを知ったんだよ」
「え! それって……昴ですか?」
「そうよ。彼はね、休みがほとんどない仕事よりも、私と昴と……家族と3人でいることを選んでくれたの」
そう言ったお母様に、お父様は幸せそうに笑う。
……素敵すぎます!
「それで引退してすぐに日本へ来て、結婚して、昴が生まれたんだよ」
「そうだったんですか……」
凄い。昴の生誕秘話とオーランドの引退秘話が聞けるなんて……! 帰ったらお父さんに話そう!
「まあ彼女はアメリカで昴を育てたいと言うから、すぐアメリカに戻ってしまったんだけどね。でも僕は日本に戻りたいって言って、去年日本に来たんだ」
そうだったのかぁ~。てことは……。
「お父様が日本好きじゃなかったら、あたし昴と出逢ってないんですね……」
はー……と感動なのか何とも言えない息を吐きながら眩しい家族を見ると、みんな優しい目であたしを見てくれた。
「やるなぁ、昴。いい子じゃないか」
「嬉しいわぁ。透ちゃんみたいな子が、昴なんかの彼女で」
「えぇ!? そんな……っ逆ですよ! あたしに昴なんてもったいなくて! ごめんなさい!」
「あはは! そんなことないよ。これからもうちのバカ息子を頼むよ」
お父様に頭を撫でられる昴が、なんだかいつもと違って子供に見える。
きゅーん……と胸が高鳴って、嬉しさでいっぱいになった。
「こちらこそ宜しくお願いしますっ!」
「トール」
「なぁに昴っ」
「ダイスキ」
「はひ……っ」
突然の告白にボッ!と顔を赤くするあたしに昴が「ネ?」とお父様とお母様に笑い掛ける。
「いってたとーりでしょ?」
「可愛いなぁ……」
「可愛いわねぇ」
言ってた通りって、一体あたしの何を言ってたんですか!?
「うぅ~…」と唸るあたしを、悪戯に笑って見つめてくる昴。
くそぅ! 昴のバカ! 意地悪王子!
でもやっぱり、好き!



