「ふふっ。久しぶりね、透ちゃん」
「あ、わ……。お久しぶりですっ!」
勢い良くお辞儀したあたしの目の前には奈々と互角なくらい、強烈美人のお母様がソファーに座っていた。笑った顔が少し昴に似てる。
前に一度、ほんの少しだけ会ったことがあるけど、面と向かったのは初めてだ。
その姿は、見る者の目を奪ってしまう。
女性にしては背が高く、スラリとした体つき。パッチリとした二重に鼻筋が通った鼻、ふっくらと艶やかな唇。
ふわりと巻かれた焦げ茶の長髪は、片手で覆えそうなくらい小さな顔をより小さく見せている。
美人すぎます……さすが王子のお母様。
「ああ、君がトールか。明るくて活発そうな、可愛い子だね」
声のした方を見ると、あたしの心臓は口から飛び出そうになった。
「よく昴から聞いていたよ。いらっしゃい」
キッチンからコーヒーを持って現れたのは、どこからどう見ても昴のお父様。
昴より背が高い……。
がっしりした体格は男性らしくて、外国人らしい高い鼻に、厚い唇。彫りの深い二重はブルーに光っている。
昴と酷似しているプラチナの髪は短髪で、顔も昴にどことなく似てる。
お母様とお父様の遺伝子をちょうどよく受け継いだのかな……じゃなくて!
「おおお邪魔してます! 向井透です! 初めまして……っ!」
「そんなにかしこまらなくていいのに。昴の父だよ、はじめまして」
見てわかります……ってだから、そうじゃなくて!
「あ、あのっ! あの、失礼ですけど……っ。オーランド・エヴァンスさんじゃ……ないですか……?」
あたしの質問に、お父様もお母様も目を見開いた。
「ナンデ!?」
昴までビックリしているけど、聞いちゃいけなかったかな……。
「ははっ! 参ったな……。まさか知ってるなんて」
「驚いたわね……。透ちゃんみたいに若い子が、この人のこと知ってるの?」
あたしだって驚いてます……。
まさか生で見れるなんて。まさか昴のお父様だなんて!



