――――――…
「どうぞ~」
「お邪魔しますっ!」
久々の昴の家は、何回来ても緊張してしまう。
スニーカーを脱ごうとすると、革靴とヒールがあることに気付いた。
――……ん?
「あ。かえってきてる」
何が!? どなたが!? まさかもしかしてマジで!?
目が回りそうになってるあたしに気付かず、長い脚でリビングに向かう昴に無言で手を伸ばす。
ちょっと王子! まさかとは思うけどお父様とお母様が帰ってきてるんじゃないの!?
「タダイマ~」
昴はドアを開けてリビングを覗き、あたしは玄関で固まったまま。
話し声が聞こえてしまいました……。
「オレのカノジョきてるよ~」
ぴぎゃーーー!!!
あっさり何言ってんの!? ねぇ何言ってんの昴!! まさかのご対面ですか!?
無理だから! 激しく緊張だから! 口の中がカラッカラなの! お願いだから察して昴!
「トールッ」
「はひっ!」
昴がドアの隙間から顔を出して、ニッコリ微笑んで手招きをした。
「おいで」
今すぐ行きます王子様!!
「カノジョのトールだよ~」
ビクビクしながらリビングに入ると、突然昴が両肩を掴んでズイッと前にあたしを突き出した。
バカーーー! 昴ーーー!
「ははは初めましてっ! 向井 透でごじゃいます!」
ごじゃいますって何だ!
噛んでんなよあたしぃいいいい!!!



