「今日も帰れなかったらどうしよう………」
「自業自得ね。遊びたいって言わない透が悪いのよ」
昇降口に向かいながらどんより暗くなるあたしに、奈々がバッサリ言う。
「分かってるけど……」
あたしからじゃなくて、昴から言ってほしいって思うようになっちゃったんだもん。
レイに誘われても「きょうはトールとあそぶから」って、昴から断ってほしいんだもん。
あたし我が儘? そんなのズルい?
「ほら。王子と邪魔者がお待ちかねよ」
邪魔者って……。
下駄箱に着くと、昇降口で立ち話をしてる昴とレイの姿があった。
「――あ。トールッ」
昴はあたしを見つけると優しく微笑んでくれて、キュウ……と胸が締め付けられる。
嬉しいのと、不安なのと、どっちかは分からないけど。
「ゴメンね透っ」
突然レイがあたしの手を取り、ビクッと体を跳ねさせると綺麗なブルーの瞳が細くなった。
ゴメンて……何が?
「今日は昴と遊ばないから……一週間もゴメンね! 彼女なのに、寂しかったでしょ」
「…………」
モヤモヤする。何だろう……。レイの言葉に、棘がある気がした。
でも、今日は昴と……過ごせる。
「……いいの?」
恐る恐る昴を見上げると、頭をゆるく撫でてくれた。
「ドコいきたい?」
「――っどこでもいい!」
「わっ!」
1週間ぶりに抱きつくと、驚きながらも笑ってくれる昴。
やったぁぁぁあああ!!



