「ちょっと透。気持ち悪いわ」
「めっ……めげないもん!」
昼休みに学食へ足を踏み入れると、早速落ち込みたくなる状況。
「ほら。行くわよ」
「言われなくても!」
ドスドス歩いてたどり着いた先には、キョウと翔太と昴。
それから、昴の隣に座るレイ。
キラキラ輝く白金の髪色は、腰辺りまであるだろう長さをキツくランダム巻きにしている。よく見ると、淡いブルーの瞳。
……昴が女だったらこんな感じなんだろうな。
「Pleia……昴の友達?」
レイは長い睫を羽ばたかせて、昴に問い掛ける。
「こっちは、ナナ! ショータのカノジョだよ」
「はじめまして」
奈々が妖艶に微笑むと、負けず劣らず綺麗な顔に微笑みを滲ませるレイ。
「はじめまして。レイって呼んでね」
「それで、こっちがトールッ」
「キョウの彼女?」
レイの発言にキョウが吹き出す。昴は慌てて「チガウ!」と言って、ふにゃっと優しく笑った。
「オレのカノジョ~」
「……は?」
花が飛んでる昴とは対照的に、ジロッと品定めするような目つきであたしを見るレイ。
ビクッと体を揺らしたあたしを暫く見つめてから、レイはにっこり笑って昴に視線を戻した。
「American joke?」
アメリカンジョークて!
「joke? ホントだよ! つきあって、んと……five month」
「5ヶ月って……9月から付き合ってるってこと!?」
「YES! ネ? トールッ」
「うっ、うん! もうすぐで半年だねっ」
チラッとレイを見ると、目が合ってしまった。するとレイはニコッと笑い、厚くふっくらした唇を開く。



