「お母~。あんま邪魔しちゃダメだよ」
疲労感いっぱいのあたしに、救いの天使が現れた。
「のんっ!」
リビングに現れたのんは、我が最愛の弟であり、天使!
「なによ陛ぅ。お母さんだって昴くんと話したいのっ!」
「初対面の人がお母のテンションについていけるわけないでしょ」
ムゥッと頬を膨らますお母さんに構わず、のんは「久しぶりーっ」と昴に駆け寄ってくる。
「ヒサシブリー」
「文化祭以来だもんね~」
あぁ……目の保養だ。
王子と天使のスペシャルコラボに鼻血が出そうです。
「それより、せっかく来たんだから透の部屋に行きなよ。お母にはもう挨拶済んだでしょ?」
ナイスのん!
さすがあたしの弟、出来が違う!
「……じゃあ、オコトバに……」
「甘えて! よし行こう!」
立ち上がったあたしは昴の腕を引っ張って、足早にリビングを出て行く。
「昴くぅううん!」と聞こえたけど、聞こえないふり聞こえないふり。



