「相変わらず派手でうるさい人たちね」
奈々がその背中を見つめて呆れたように呟くと、昴はゆっこ先輩からのチョコをポンと横に置いてあたしを見つめた。
「……それ食べるの?」
ついポロッと聞いてしまった。
「ジカンかかるけどネ……」
……食べるんだ。
そりゃ食べるよね。心優しい王子ですもの。女の子の気持ちを無碍には出来ないもんね。
「…………」
自分の心の狭さに自分で落ち込んでいると、翔太が「なあ」と声を掛けてくる。
「透もないん? 昴にチョコ」
「も、って何かしら。失礼ね」
「ふんっ! ええねん俺はもう!」
奈々からのチョコ諦めたんだ……。
「ほれっ! ありがたく受け取れや!」
あたしの代わりに昴の隣に座った奈々に、翔太が何か差し出した。
目を見張ったのはあたしだけじゃなく、奈々も驚いている。
「……何よそれ」
「黙って受け取らんかい!」
言葉通り奈々はそれ以上口を開かず、リボンが掛かった小さな箱を受け取った。
「開けてみぃ」
翔太が誇らしげに笑い、奈々はリボンを解いて箱を開ける。
「――……指輪?」
「安もんやけどな」
水を飲む翔太とは対象的に、ジッと指輪を見つめる奈々。
あ…………喜んでる。



